迷走オヤジの独り言

迷走中のおっさんの独り言です

夜と霧

夜と霧

公開年   1955年
監督    アラン・レネ
おススメ ★★★★☆

 

感想

フランクルの「夜と霧」を久しぶりに読み直して、何の気なしに同じ題名だったので、本当に軽い気持ちで「時間も短いことだし」と視聴。

視聴したことに後悔はしなかったけれど、しばらくの間、深く考えてしまい、うーん、となってしまった。

 

作品時間32分のアウシュビッツを題材にしたドキュメンタリー作品。

フランクルの「夜と霧」をイメージして視聴したが、アウシュビッツを題材にしているのが同じだけで、ユダヤ人虐殺の現実をこれでもか、というくらい突き付けてくる。

 

正直、軽いノリで見ると一生忘れることのできない強烈な作品。

 

普通に、ごろん、と横たわった死体が(大量に)出てきて、それを「処理」する映像があったり、最初は「CG?」と思ったけど、現実の映像だったり。髪の毛の山が石鹸に加工される、というような話だったり。

 

すべて現実。人間がここまで同じ人間に対してしてきたことを、記録して残すということの意味を考えさせられる。当時のドイツ(ナチス)が「ユダヤ人を人間とは扱わない」としていたことが、どのようなことだったのか。

 

アウシュビッツ映画の傑作「ライフイズビューティフル」での衝撃もすごかったが、こちらのほうが(視聴に耐えられるなら)人間の業、戦争の異常さを見せつけられる。

 

ただ本当に、いろいろな意味で一生忘れることのできない強烈な作品