迷走オヤジの独り言

迷走中のおっさんの独り言です

七つの会議(映画版)

 

www.nanakai-movie.jp

主演    野村萬斎
公開年   2018年
監督    福澤克雄
おススメ ★★★★☆

あらすじ

都内の中堅メーカー、東京建電の営業一課で係長を務めている八角民夫(野村萬斎)。最低限のノルマしかこなさず、会議も出席するだけという姿勢をトップセールスマンの課長・坂戸宣彦(片岡愛之助)から責められるが、意に介することなく気ままに過ごしていた。営業部長・北川誠(香川照之)による厳格な結果主義のもとで部員たちが疲弊する中、突如として八角パワハラで坂戸を訴え、彼に異動処分が下される。そして常に2番手だった原島万二(及川光博)が新課長に着任する。

七つの会議 (2018) - シネマトゥデイ

 

感想

野村萬斎の微笑みが、ピエロのひきつった笑いに見えるくらい不気味。

原作を読んでからの視聴。原作でいうところの「7つ」の会議は、どこがどれ?というのは置いておくとして、ストーリーは「7つの会議」ではあるが構成が違う別物、という視点で見るのがいいのかも。

 

主人公は及川光博演ずるところの原島課長、というところなのだが、やはりここも途中から八角に中盤交代、という感じで進んでいく。

人物紹介のクレジットがいくつか挟まれるのだが、中盤に差し掛かってから北川部長や八角のクレジットが出るのに「いまさら?」と違和感を感じたのだが、実はここでメインキャストの交代ですよ、というのなら少し納得。

香川照之の表と裏、公私の顔の使い分けは見事だし、野村萬斎の何を考えているのかわからない不気味さとか、見る価値がある。対照的に及川光博の情けなさが際立っており、サラリーマンのえぐさも見ていて本当にきついなーと思う。

 

内部告発、という視点でみると、匿名での投書に対応するのか、とか、色々考えさせられる部分はあるのだけれど、それでも最後はそこに行き着くしかなかった、という展開は、やるせないものがある。長いものにはまかれろ、ではないけれど、そこまで追い詰めることのリスクを考えないのだろうか、というところもある。

そこにあるのは「保身」でしかないのだけど、どこまでがしかたなくて、どこからが筋がとおるのか、そこの見極めが非常に難しいだろう。それを誤った時に、組織崩壊、となるのか、社会的制裁となるのか。

 

野村萬斎の立ち姿が能楽師そのもので、気を付けの姿勢はわきを占めて立ってほしい、と思うのはいたしかたないところか。

エンドロールがしっかりと後日談を含んだものにしてあり、ただただキャストが流れるものと違って最後までしっかりとみることができる構成が非常に好感。ジャッキーチェンのNG集みたいに最後の最後まで映画ですよ、という作りは好き。

7つの会議を全8話のドラマでじっくり見てみたい、と思うのは野暮か。