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主演 ジョン・チョー
公開年 2018年
監督 アニーシュ・チャガンティ
おススメ ★★★★☆
あらすじ
ある日、デビッド(ジョン・チョー)の16歳の娘マーゴットが突然姿を消す。行方不明事件として捜査が行われるが、家出なのか誘拐なのか不明のまま37時間が経過する。娘の生存を信じるデビッドは、マーゴットのパソコンでInstagramなどのSNSにログインする。そこで彼が見たのは、自分が知らなかった娘の一面だった。
感想
「ブレアウィッチ・プロジェクト」のように、何年かに一作品くらいの割合で今まで見かけることのなかった手法の映画があらわれるが、この作品はその中でも特異な手法。パソコンのモニター上で話が完結する、といえば、その映画を見ようと思うのだろうか?いままで類を見ないそのキーワードに、創造、イマジネーションを掻き立てられて、ぜひとも観たい、という気分になったのは正直なところ。
「唯一の手掛かりは24億8千万人のSNSの中にある」とすごいキャッチコピーだけど、作中に出てくる「連絡するのはあと94人」みたいに、実際は200人くらいじゃないかな、と思う。関心を引くために大げさなキャッチは必要だけど、超超超有名人でもない限り24億人なんかとつながってないだろうし。周辺の人とのつながりから展開していく話だから、具体性と現実性をおびて話に引き込まれたわけだし。
同じ子を持つ親として、子どもと連絡が1日でもとれなくなったら死に物狂いで探す気持ちはよくわかるし、ありとあらゆる手段を尽くして探す姿勢に本当に共感できる。
パソコン上だけで話を展開させるには、父親がSEでインターネット、SNSを駆使できるスキルを持っていることが前提なのはしかたないところだとしても、いまどきの50歳にあそこまでパソコンを駆使できるか、というところが非常に面白い。自分にはそこまでできるか、といわれたら無理だというしかない。
ただ、70くらいの老夫婦が見に来ていたのだが、「iPhone7を使っているあたり一昨年くらいからの話として、GMailとFacebookを連携させるのであれば、あそこは~」と見終わった後に話をしていたのには、人は見かけによらないな、と驚くばかり。
子どもがインターネットを扱う以上、子どものプライバシーがとか、知られない権利だとか関係なく、親はそれを管理できる権限を残しておくべきだろう。いつまでも管理下における子どもではないけれども、親元から独り立ちするまで、子どもに対するセーフティネットを保持しておくことの重要性を教えてくれている。
話は非常に面白い。きちんと伏線を張っていくし、モニターをしっかり見ていれば、あそことあそこがつながって、と伏線を回収するところで「まじか!」とおどろくことこの上ない。きっちりと考えられていて、なるほど、と頷くばかり。
少し残念なのは、日数の進捗状況がよくわからくなってしまうことがある。実際には1週間程度の話なのだが、どれだけ日数が進んだかわからないので、最後の最後で「まだそれだけしかたってないの?」とか「○○もないのに、○○もわかってないのに、教会にいくの?」とか、ちょい疑問符がでてしまうけれども、話をそこに結び付けるならしかたないか、とまあ納得。
娘のマーゴット役のミシェル・ラーが最初はあまりかわいく思わなかったけれど、途中からめっちゃ美人に見えてきて、魅力的でいい感じだなーと思えていくのが不思議。16歳の役を30歳のミシェルが演じているのもすごいけど。
自分の子どもが音信不通になったら、すべてを投げうってでも必死こいて探すと思う。その気持ちが、痛いほどわかる。自分も同じようにするだろう。