迷走オヤジの独り言

迷走中のおっさんの独り言です

ノイズ【noise】 (第1巻)

☆書籍名:ノイズ【noise】 1巻

☆著 者:筒井 哲也

☆出版社:集英社ヤングジャンプコミックス

☆感 想

予告犯を書いた著者の新作ということで、帯の煽り文句も手伝って、書店でついつい購入。表紙と裏表紙も帯も全てがなんだかどきどきする内容。

 

特に、「第1話 訪問者」は、全てが何かが起こるであろうということを予感させる、上質のホラー映画やサスペンスドラマを観ているような、ねっとりとした嫌な空気が付きまとう。ここは本当に素晴らしい。この犬神家の一族や八墓村(石坂浩二版)を観ているような、あのいやらしいほどのねっとり感。なにかが起こりそうで起こらない。それでいて腹の底に渦巻くような気持ち悪さ。けっしてグロい描写もなく、陰惨な場面があるわけでもないのだが、なにかが違う、と感じさせるこの気持ち悪さ。

とてもいい。

久しぶりにゾクゾクしながら読み進める。

 

しかし。

ここからはネタバレになってしまうのでちょっと書けないのだが、第4話以降、ちょっと毛色が変わってしまう。あれ、そっちにいっちゃうの?というような感じ。これはどうした?と拍子抜けてしまった。異物として描かれ始めた彼は本当の異物に成り下がってしまうのか。それはそれでいいのかもしれないけれど、最初から異物として描かれていた彼が、もう少しサイコな言動や行動、悪質な影響をウィルスのようにまき散らして脅かしていくのかと思ったのだが、こういう流れになるとは。

 

けっしてその展開が悪いとは言わないのだが、この先の展開がどうなるか、単純な予想と合致してしまうような凡作となるのか、第1話のゾクゾク感を取り戻せるような展開となるのか、第2巻以降の展開に期待したい。

 

 

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