主演 岡田准一
公開年 2018年
監督 木村大作
おススメ ★★★★☆
あらすじ
享保15年、藩の不正を告発した瓜生新兵衛(岡田准一)は、追放の憂き目に遭う。藩を追われた後、最愛の妻・篠(麻生久美子)は病魔に侵され、死を前に最後の願いを夫に託す。それは、かつては新兵衛の友人で良きライバルでもあり、篠を奪い合った恋敵でもあった榊原采女(西島秀俊)を助けてほしいというものだった。散り椿 (2018) - シネマトゥデイ
感想
「綺麗な映画」というのが第一印象。冒頭の雪景色の殺陣など、見事としかいいようがない。全編にわたり、風景描写の見事さ、殺陣のすばらしさなど、前評判に外れない素晴らしさがある。さすが木村大作監督、というべきか。
殺陣も本当に見事で、見ごたえのある立ち回りが適当な場面で挟まれるため、見ていて飽きることがない。三船敏郎を超えた、と評されているのもわかる気がする。さすがフェイタス。スタッフスクロールに殺陣師として岡田准一の名前が出ているのも、殺陣師としての実力があってのことだろう。
シナリオとしては、侍としての生き方と、妻を愛し続ける生き方をメインに、藩の内紛を処理していくものであるが、難しいひねりもなく筋が通っていてわかりやすい。しかしながら、(ネタバレなので少し抑えるけれど)榊原采女を助けてほしい、という妻の願いはこういう結末でよかったのだろうか。最後の藩邸のシーンなど、なにか腑に落ちないところもあるけれど、江戸時代の武家社会におけるとりなしや勲功の処断などはこんな感じだったのかな、とそこそこ納得させる感じ。
最後も最後で、あーそうなるか、やっぱそうなるよね、という流れ。侍、という感じが好きです。エンドロールがそのままエピローグになっているのもいい感じ。
見終わって不満もなくすーっとした感じで、清涼感で終わる、というような映画でした。殺陣があれだけすごいのに、アクション映画を見た後のような映画館を出るときに岡田准一になりきってしまう、というような感覚がないのも、後味の良いシナリオの魅力の一つなのかもしれません。