迷走オヤジの独り言

迷走中のおっさんの独り言です

模擬問題について考えた話

公認心理師試験対策に模擬問題を作ってみたので、解いてみてくれませんか、という話が来たので、「いいよ」と引き受けることに。

 

まあまあ、内容としては過去問を踏襲しながらも、事例問題などもうまく作られていて、なかなか解きがいがありました。

ひとつ気になった問題があったので、その問題について出題意図を聞いてみました。

 

問題

公認心理師とは、公認心理師登録簿に登録を行い、公認心理士の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいう。

 

という問題なんですが、

答えは「×」

なんですね。

原文は公認心理師法第2条の条文なんですが、

×「公認心理の名称を用いて」

〇「公認心理の名称を用いて」

というのが正しい。という理由からなんです。

 

出題者側の意図としては、「心理士」ではなく「心理師」であることをきちんと自覚して、名称独占資格の名称使用について注意してほしい、というものでした。

 

これは、出題者として確認したいことはわかるのですが、「士」と「師」問題については、なかなか難しいところもあり、誤植、ということも考えられてしまうわけです。

 

現に、IMEで変換すると「公認心理士」と変換されてしまうことがほとんどであるように、これを出題者側の「誤植」とみるのか、意図した「誤り」と判断するのか、という見極めが非常に難しいというわけです。

 

問題文として、一応の筋は通っていて、内容は「〇」である。しかし、一文字だけ違っている、というような状況について、問題の意味が正しいかどうか、を問うているのか、文字の誤りを問うているのか、その部分の判断をしなければならない、という点において、この問題については「不適切」な問題なのかな、という気がします。

 

このような問題文の誤植かそうでないか、という話はいたるところにあって、実際に公的な研修の修了試験などにも出題されていて、「おうおうどないやねん」ということがあったりもしてました。

「士」ではなくあえて「師」になった経緯は、心理職の公的な資格化の過程で、念願のものであっただけに、そこへのこだわりみたいなものがあるとは思います。

 

ま、試験問題、という視点から考えると、漢字の誤り、というレベルの問題ではなく、内容の正誤や知識を問う問題のほうが望ましいのではないかな、と思いました。