あいみょん
深夜、音楽番組でPVをかけ流している番組をぼーっと眺めていたら、
「うはっ」
となって、久々も久々にiTunes Storeからアルバムを買ってしまった。
あいみょん - 君はロックを聴かない 【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
あいみょん自体、初めて聞く名前だったし、
また一発屋テイストのよくわからん中途半端にきれいなおねーちゃんがデビュー?なんて小馬鹿にしていたのだが。
名前も変だし。
そんな気持ちはふっとんだ。
正直、正統派の青春ソング。若かりし頃のアオハルな気持ちをスカッと歌いあげて、非常に気持ちがいい。あの頃のドキドキというか、下心のない、好きな人に自分の事をわかってもらいたい、というストレートな感情をもどかしさも含め丁寧に歌い上げている。
おそらくこの歌を10代で聴くのと30代、40代で聴くのでは受け止め方が全く違うとのだろうが、聴き終わったあとの清涼感は格別なものがある。
で。冒頭に、アルバムを買った、と書いた。
実は、『君はロックを聴かない』にたどり着く前に更なる衝撃に打ちのめされていた。
最初から聞いていくと、お目当ての3曲目の手前、2曲目で止まってしまった。その曲というのは。
あいみょん - 生きていたんだよな 【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
もうね、ガツン、なんてもんじゃなかった。
こんな歌を歌えるのか、という衝撃。
自死を取り巻く周囲の状況と本人の心情、それらを傍観する第三者視点の私を、畳み掛けるようにあびせかけてくる。
メンタルが少しやられてた時に聴いてしまったものだから、2曲目終わった時点でパンチドランカー状態に。もちろん、泣いてましたよ。号泣。
じっくりと歌詞を読む。たしかに衝撃的な文言が並んでいる。
彼女は何故空を飛んだのか。
その意味は。
理由は。
生きるためにどうあがいたのか。
生きるとはどういうことなのか。
話題づくりの薄っぺらいまがい物のようなものはそこにはなく、聴くものに『生きることとは何か』をぶつけてくる。慟哭のような、生への問いかけがそこにある。
最初に聴いた時は「なんというネガティブな曲」と感じたが、2回、3回と聴きこんでいくうちに、生への渇望、生の模索、というような生きることへの叫びを感じていた。
決して死というものを美徳化するわけではないが、死をもってその意味と生への問いかけを考える、とでも言ったらよいのだろうか。
これがね、デビューシングルだってんだから、参っちゃうよね。
もう降参。アルバムの曲順からいけば、そのあと3曲目に爽快な青春ソングだもんね。黒と白のように正反対の曲が配置され、気分一新、残りの曲を聴くことになる。
ほかの曲も非常に良い曲で、耳に残る曲だと思うけど、このアルバムの中ではツートップとも言える曲を前半に配置したことで、強烈なインパクトを最初から味わう事ができる。
久しぶりにパワープレイする歌手に出会ってしまった。今後の活躍に期待するとともに、
あいみょん、注目です。